M78星雲
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この項目では、ウルトラシリーズに登場するM78星雲について説明しています。実在の天体については「M78 (天体)」をご覧ください。

「光の国」はこの項目へ転送されています。保育書籍の出版社については「ひかりのくに」を、その他の用法については「光の国 (曖昧さ回避)」をご覧ください。
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M78星雲(エムななじゅうはちせいうん)は、ウルトラシリーズに登場する架空の星雲。ウルトラマンらの故郷で、銀河系から300万光年離れたところに存在する設定になっている[1]
解説

「M78星雲」という言葉がウルトラシリーズに登場したのは、『ウルトラマン』第1話でウルトラマンが自らをM78星雲の出身と自己紹介する場面である。ただしこの時ウルトラマンは地球に到着したばかりで、地球人がM78と呼ぶ天体があることを知らなかったはずであり、「M78星雲」はウルトラ族自身による呼称であったと思われる。

企画時点ではM87星雲という名称だったが、脚本印刷時にM78星雲と誤記されてそれがそのまま放映され、定着したものである[2]。また、『ウルトラマン』の前作『ウルトラQ』の未発表脚本に、中性子怪獣ミクラーの出身地として「M87星雲」が登場する「M87星雲より!」という作品が存在し、『ウルトラマンA』第14話では北斗星司に「M78星雲」ではなく「M87星雲」と呼ばれている。また冷凍怪獣ぺギラが再登場する『ウルトラマン』の企画段階の『ベムラー』ストーリー案集に記載されている「凍る極光ライン」でもカニ座M73星雲人という宇宙人が登場する。

なお、実在するM78オリオン座にある反射星雲で、地球からの距離は1600光年である。一方、M87おとめ座にある楕円銀河で、銀河系アンドロメダ銀河などを含むおとめ座超銀河団の中心を構成しており、地球からの距離は6000万光年という距離にある。
ウルトラシリーズでのM78星雲

以降、ウルトラシリーズに登場するM78星雲について解説する[注釈 1]

『ウルトラマン』の主題歌にも登場する光の国という名は、『ウルトラマン』放映時、M78星雲と同義語として使用されることもあったが、『帰ってきたウルトラマン』以降は主にウルトラの星を指す言葉として使用されている。

ウルトラマンタロウ』からはウルトラの国という表現が用いられるようになった[3][4]。ウルトラの国の街並みは小学館の児童誌の企画として設定が進められ、一部は映像作品にも採用されている[5]。ウルトラタワーやウルトラキーウルトラベルなど映像化された物の他、当時の学年誌で紹介されたのみに留まるウラーという通貨なども設定されていた。また、小学館コロタン文庫の『ウルトラ怪獣全百科』の特集ページには、施設、自然、文化や生活などについて掲載された。また、地球との差異についても記載があり、その中には「動物園はないが、カプセル怪獣の出身地のアニマル星やバッファロー星にはおとなしい怪獣が生息しており、これらが動物園のような役割をしている」という記述もある。

映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』で語られた設定ではM78星雲は暗黒宇宙の裏側に存在し、その中の6900万個の星の一つが光の国であり、地球の直径の約60倍、300ほどの都市を有し、太陽はない代わりに地下に設置されている900台の原子力発電所で作られているプラズマエネルギーを使用しているとされている。

近年では、星自体が「光の国」=「ウルトラの星」と呼ばれるようになり、「ウルトラの国」は光の国の最大規模の都市の名称として扱われるようになった。
光の国 / ウルトラの星

地球の約60倍の大きさを持ち、M78星雲内に存在する惑星[1]。元はウルトラ太陽系の一部を構成するごく普通の惑星で、そこに住む人々もかつて地球人と同一の存在だったが、26万年前に太陽の超新星爆発で光が失われると、生き残った科学者たちは人工太陽プラズマスパーク[注釈 2]を開発する。しかし、まもなく発生した事故により、プラズマスパークが発する放射線「ディファレーター光線」に研究員2人が被曝してしまう。ただちに行われた分析・調査の結果、研究員2人への悪影響はないことが確認されたが、彼らの身体は強化され、必要に応じて怪力を出せる、破壊光線を発射できる、巨大化できるなどの超能力を得たことが判明する。星を治めていた、優れた政治家にして科学者であるウルトラの長老はこのことを受けて人々にディファレーター光線の照射を行い、超人のウルトラ一族が誕生した。ディファレーター光線は自然の恒星もわずかながら放射しているが、変身後のウルトラ一族はディファレーター光線の少ない場所では生命維持にすら支障をきたすようになったため、カラータイマーが開発された。

それから23万年後、エンペラ星人率いる怪獣軍団が光の国を襲撃するウルトラ大戦争が勃発し、若き日のウルトラの父(当時の名はウルトラマンケン)をはじめとする多くのウルトラ戦士たちが立ち向かった。長い戦いの末、ウルトラベルの奇跡によって怪獣軍団を撃破し、その勝利を記念してウルトラタワーが建設された。その後、宇宙の平和を守るためにウルトラの父を初代隊長としてウルトラ戦士たちが集結して結成されたのが、宇宙警備隊である。

王女としてユリアンが登場することから王制であることがうかがえるが、誰が王なのかは不明[注釈 3]。書籍などでは「ウルトラの父が大統領のような存在」という記述もある[6]

ウルトラセブン』第25話におけるポール星人の発言からウルトラの星に冬は存在せず、ウルトラ一族は寒さに弱いとされている(そもそも四季が存在しない)。しかし、冷凍状態になって活動停止に陥ることはあっても死ぬことはない。また、『ウルトラマン80』第3話における矢的猛 / ウルトラマン80の発言から、アルバイト制度や通貨の存在、(楽器があることから)音楽の文化があることも判明しているほか、ウルトラ星人という呼称も用いられている。小学館コロタン文庫の『ウルトラ怪獣全百科』(p331)では通貨単位は「ウラー」であり、1ウラーは日本円に換算するとおよそ30円に相当するとの記述がある。

映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』ではさらに詳細な描写がされており、プラズマスパーク・タワーを中心として内側を向いた殻状の大地が球形に重なった構造になっている[注釈 4]。エネルギーはすべてプラズマスパークに依存しているため、ウルトラマンベリアルによってエネルギーコアを奪われた際にはウルトラの星全体がウルトラ戦士たちと共に氷結してしまい、難を逃れた初代ウルトラマンウルトラセブンウルトラマンメビウスは巨体はおろかウルトラ戦士としての超能力も維持できず、エネルギー節約のために人間体となっている。逆に、地球人にとってプラズマスパークの光は強過ぎるため、復旧後の光の国を訪れたZAP SPACYの隊員たちは、宇宙港に張られた防護シールドによるバリア空間の外には出られなかった。また、『ウルトラ銀河伝説』は舞台が光の国ということから、『ウルトラマンG』『ウルトラマンパワード』『ウルトラマンUSA』『ウルトラマンネオス』『ウルトラマンマックス』『ウルトラマンボーイのウルころ』など、M78星雲出身でありながら光の国シリーズとの繋がりが曖昧とされていた作品のウルトラ戦士たちも、総登場している[注釈 5]。そのほか、前述のエネルギー依存ゆえに感覚としての空腹はなくなって久しく、『ウルトラマンZ』では約5000歳のウルトラマンゼットが同化中のナツカワハルキの空腹を疑問に思う描写が盛り込まれている。ただし先祖と同族の人間の姿になると、空腹の感覚や食欲、食事を楽しむ感情が表れるなど完全に失われたわけではない。

人口は約180億人と設定されており[1][9]、そのうちの約100万人が宇宙警備隊員である。

M78星雲のウルトラ一族には、体色毎に「シルバー族」「レッド族」「ホワイト族」「ブルー族」の4種族があるとされていたが、当初は初代ウルトラマンやゾフィー、ウルトラの父などの「シルバー族」、セブンやウルトラマンタロウなどの「レッド族」以外は設定だけの存在で該当するキャラクターは存在しなかった。ウルトラマンヒカリの登場で「ブルー族」と思われる個体が確認されたが「ホワイト族」に関しては現時点でもなお不詳である。

現時点では、光の国において先祖のようなヒューマンタイプのみのウルトラ一族は存在は確認されておらず、ベリアルの遺伝子から人工的に作られ生まれてからヒューマンタイプの姿を持ちつつ、ウルトラマンとしての姿を持つ朝倉リク / ウルトラマンジードのみが例外的に存在する。

小学館の『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE 超全集』に記載された設定によると、光の国では過去40万年間でウルトラマンベリアルしか犯罪者が出ていないため、警察組織は廃止されているという[9]


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